
歯を磨いているのに、なぜ虫歯になってしまうのでしょうか?
人によっては、まったく歯を磨いていないのに “虫歯は一本もない”という人もいます。虫歯ができる人と、できない人の違いは何なのか、ここでは「虫歯の原因と予防策」について優しく解説していきます。
目次
虫歯の原因~なぜ虫歯になるの?~

歯の表面についた「
『ミュータンス菌が酸を出して歯を溶かす=虫歯』
しかし、唾液には虫歯菌が出した酸を中和し、脱灰されたエナメル質を修復(再石灰化)する作用があります。唾液による中和や再石灰化ができず、脱灰され続けると虫歯になります。
そのため、歯磨きをしてプラークを取り除く、間食の回数を減らす(脱灰される回数を減らす)など、口内環境を清潔に保つことが、虫歯をつくらないために大切です。
子供時代の親のケアが虫歯の原因をつくってる?!

実は生まれた時は、人の口の中には「虫歯菌」はいないんです。いま定着している虫歯菌は、親の口のから子供の口へと移動してきたものです。
ミュータンス菌の量は「生後10ヶ月~36ヶ月」で決まるとされています。そのため、虫歯になりやすい人、なりにくい人になるかどうかは、3歳になるまでの親のケアが最も大切なのです。
生後36ヶ月までに、食べ物の口移しやキスなどをされた子供は、虫歯になりやすい口内環境に育ってしまいます。毎日歯を磨いているのに、虫歯が多い・・・といった方は、乳児期の親のケアが原因かもしれません。
虫歯ができる7つの原因と予防策
間食が多い

虫歯になる最も大きな原因は「間食が多い」ことです。食事をするたびに虫歯菌が酸を出し、歯が脱灰していきます。虫歯菌が酸を出す回数が多いと、唾液による中和や再石灰化が追いつかず、虫歯になってしまいます。
虫歯予防のために、一日の食事回数は5回までに抑えましょう。朝・昼・晩の3食に、間食2回までならセーフです。
デスクワークだと間食にチョコをつまんで仕事をする人も多く、虫歯になりやすいため、間食しないように気をつけてください。
ジュースやアイスなど糖分

糖分は虫歯の天敵です。虫歯菌は「糖分」を栄養にして酸を出します。糖分を摂れば、歯の脱灰を侵食する原因になるため、ジュースやアイス、チョコなど糖分の多い飲食は控えましょう。
虫歯予防のために、ドリンクは水、お茶、ブラックコーヒーなど糖分の入っていない飲み物を飲むことが大切です。
歯磨きが下手

歯磨きが上手にできずに、プラークが残っていると、虫歯菌が食事のたびに大量の酸を出すため、虫歯になってしまいます。自分では磨けているつもりでも、全然磨けていないケースが多く、実際に約8割の人に磨き残しがあります。
また、歯ブラシだけでは歯垢の約60%しか取れまないため、デンタルフロスなどを使って歯垢をしっかり落とすように心がけましょう。それでも歯垢を100%とり除くのは不可能なため、定期的にクリーニングに通うことが虫歯予防に欠かせません。
『歯ブラシ+デンタルフロス+クリーニングで、虫歯予防は完璧!』
エナメル質が弱い

歯のエナメル質が弱いと、ミュータンス菌の出す酸にすぐに溶かされ虫歯になってしまいます。エナメル質を強くするにはフッ素が効果的であり、虫歯予防にはフッ素配合の歯磨き粉でしっかり磨くことが大切です。
エナメル質を強くするには、高濃度フッ素でエナメルを修復する歯磨き粉「コンクール ジェルコートF」がおすすめです。歯医者にすすめられ、私も愛用しています!
虫歯菌が多い

幼児期にミュータンス菌が定着して、もともと虫歯菌が多い人は、酸を出す量が多いため虫歯になりやすいです。ミュータンス菌が多いか少ないかは歯医者の唾液検査で調べられます。
フッ素やキシリトールには、ミュータンス菌の活動を弱める作用があるため、虫歯予防にはフッ素やキシリトール配合の歯磨き粉や、キシリトールガムを噛むことが効果的です。
唾液の量が少ない

唾液には殺菌効果があります。唾液の量が少ないと、虫歯菌の出した酸を中和したり、再石灰化することができずに虫歯になります。
食後に100%のキシリトールガムを噛むなど、唾液をたくさん出すことで、酸の中和や歯の再石灰化が促進され、虫歯予防につながります。
詰め物が多い

歯を削るなどして詰め物が多い場合、隙間から菌が入り込み虫歯が進行します。銀歯やプラスチックは隙間ができやすいため、保険適用外で高額となりますが、虫歯予防のためにもセラミックで治療をすることをおすすめします。
虫歯の進行と分類

虫歯の進行状態は C0~C4の5段階 に分類されています。それぞれの特徴と治療方法を紹介します。
C0=経過観察

初期の虫歯で、歯の表面が少し溶けている状態です。
表面が白く濁ったり、溝が茶色になっています。この段階であれば、歯を削る必要はなく、フッ素とキシリトールでエナメル質を再活性化させることで、虫歯の進行を抑えられます。※歯医者による治療は必要ありません。
C1=軽い虫歯

歯の表面のエナメル質が侵され、少し穴が空き黒ずんだ状態です。痛みがないため、本人の自覚症状はありません。この段階では歯を削らずに、毎日のケアで進行を抑えるなど、経過観察になるケースが多いです。
C2=痛みを伴う虫歯

麻酔をして歯を削る治療を行います。削ったところは詰め物をかぶせます。放っておいたら奥深くまで虫歯が進行してしまうため、冷たいものがしみるなど痛みを感じたら、早めに歯医者さんに診てもらいましょう。
C3=重度の虫歯

虫歯が神経にまで達し、
麻酔をして歯を大きく削り、神経を取り除く必要があります。ここまでくるとかなり重度の虫歯です。放っておいたら歯根まで虫歯が侵食して、歯が死んでしまうため、早めに歯医者さんに診てもらいましょう。
C4=治療不可

虫歯が奥深くまで侵食し、歯は歯根だけになった状態です。神経は死んでいるため、痛みは感じなくなり、歯根の先に膿がたまります。ここまでくると治療は難しく、ほとんどの場合、歯を抜いてインプラント治療になります。
放っておくと虫歯菌が血管を通って、心臓病や腎臓病を引き起こす恐れもあります。
まとめ
ここでは、「虫歯の原因と予防策」について紹介しました。
初期の虫歯であれば、歯を削らずに毎日の歯磨きや間食を減らすことで、虫歯の進行をおさえることができます。一度歯を削ってしまうと、虫歯ができやすくなってしまうため、毎日のケアを心がけて健康的な歯を維持しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。