
親知らずの手術入院って怖いですよね・・・。
ここでは、2泊3日の親知らず抜歯手術で6本を同時抜歯した筆者の体験談をもとに、入院手術の様子、術後の「歯磨き・食事」について紹介していきます。
はじめに
今回私は、完全埋伏で横向きに生えた親知らず4本+2本=合計6本の歯を、2泊3日の全身麻酔手術で同時抜歯してきました!
結論「抜歯時の痛みはない!」
結論から、手術中の痛みは全くありませんでした!
親知らずの抜歯では「左右片方ずつ」「1本ずつ」「全部いっぺんに」抜く方法があり、4本同時は辛い・・・と聞きますが、個人的には全身麻酔で親知らずを4本同時抜歯して良かったと感じています。
ネットで調べると、「痛い!辛い!怖い!」という体験談も多く、不安や恐怖がいっぱいでしたが、私の場合は本当に一瞬で終わり、痛くなかったです!
親知らずを抜歯する順番は?
親知らず抜歯で「全身麻酔で4本同時の抜歯手術は大変かな・・・?」「局部麻酔で分けて抜歯したほうがいい?」などと悩んでいる方のために、体験談を赤裸々に書いていきますので、ぜひご参考にしてみてください!
全身麻酔で親知らず4本を同時抜歯した経験から、「検査・術前・入院・手術当日・術後・退院後・食事・後遺症・注意点」について紹介します。
大人の親知らず抜歯は、負担が大きい!
親知らず抜歯は高校生~20代前半の若いうちにやった方が負担が少ないですが、私はその機会を逃し、大人になってから親知らずを抜歯しました。
親知らず抜歯は30歳がギリギリラインで、この時期を過ぎると負担が大きくなるため、後回しにせずに20代のうちに抜歯することをおすすめします!
主な流れ
親知らず抜歯手術の主な流れです。
- 初診
- 検査・説明
- 術前検査
- 入院
- 手術当日(入院2日目)
- 退院(入院3日目)
- 抜糸(手術の約1週間後)
ここでは、特に気になる「入院~手術~退院後」について詳しく書いていきます。
① 入院1日目
●10:00=病院到着・入院手続き
入院初日は午前10時に病院到着。入院手続きを済ませると、さっそく病室に案内されました。さっそく病院着に着替え、腕にバーコード付のバンドをつけられます。(入院中はずっと付けたままです。)
そして身の回りの説明やフロアの案内をされ、簡単な生活リズムのアンケートを書いて、体重と身長を測りました。
病室は4人部屋で、カーテンで仕切られています。清潔感があり、1人1台のテレビや冷蔵庫が完備されてたり、部屋に洗面所があったりと、大部屋でもかなり快適です!
●11:30=麻酔科診察
麻酔科に呼ばれ、手術の麻酔について説明を受けました。説明は5~10分程度。
●12:00=昼食
お昼になると、病院食が運ばれてきました。隣から「ん~美味くねぇな」という声が聞こえてきましたが、個人的には満足。病院の飯はまずい、とよく聞きますが美味しかったです。
●13:30=薬の処方
お昼を食べてしばらくすると、術後に服用する4つの薬を処方されました。
- 頓服薬(痛み止め/胃薬)
術後水が飲めるようになって、痛みが出始めたら各1粒ずつ飲む。
※最低6時間開けて - うがい薬
1日3回水で薄めてうがい。術後から。 - 抗生剤
退院日の昼から~3日後の朝まで、1日3回食後に飲む。
●16:00=手術の説明
夕方になると、手術の担当看護師があいさつに来て、手術の段取りや説明をしてくれた。かなり優しそうな男の看護師で一安心。
●18:00=夕食
夕食は薄いカツとサラダに味噌汁。ん~サラダはイマイチ・・・(苦笑)。でもカツは薄いながら、美味しかったです。
●22:00=消灯
消灯時間は夜の22時。夜型の私は、こんな早く寝れるわけがなく、結局寝たのは深夜2時頃でした。特に隣のイビキが酷かったな・・・。
② 手術当日(入院2日目)

●6:00=起床・シャワー
手術当日は早起きして朝シャン。術後はシャワーに入れないので、術前に入っておくことをおすすめします!
●9:00=口腔外科でクリーニング
術前の口腔内クリーニングを実施。歯医者でやるクリーニングより、かなり念入りでした。手術中は人工呼吸のチューブを喉の奥に挿入するため、菌が入り込んで肺炎にならないための対策です。
●11:00=痛み止めのテープを貼る
手の甲に注射針を刺すときの痛み止めテープを貼ってもらいました。手の甲への注射はかなり痛いと言われ、かなりの恐怖を感じました・・・。
※手術中の麻酔薬や、術後の抗生物質の点滴は手の甲に注射して行います。
●11:45=手術開始
看護士に連れられオペ室に通され、ベットに仰向けに。生まれては初めての手術だったので、このときの心臓バクバク感は凄かったです。
全身麻酔は初めてでしたが、注射を打たれてから1~2分でふと意識が無くなり、次の瞬間手術が終わり、担架で病室まで運ばれてました。手術は想定よりも早く終わり、手術時間は「1時間15分ぐらい」でした。
※マスクから麻酔薬を吸っていると勘違いしていましたが、麻酔は点滴からなんですね。マスクはただの酸素です。
喉のチューブは意識が戻ってから抜きますが、たいていの人は意識が戻ってから10~15分の記憶が無いみたいです。私もチューブを抜かれた時の記憶は一切ありません。
<術後の状態>
術後30分は吐き気と血がヤバく、横向きになり血をひたすら吐き出していました。
●16:30=酸素マスク取る
手術から2~3時間で麻酔が切れはじめ、じわじわと痛みが出てきます。麻酔が切れたのを看護師が確認した後に、一人でトイレに立ったり、水を飲んだりできるようになります。
初めて立った時は、少しフラ~っとする感じがありますが、普通に歩けました。
口の奥に血を出すためのチューブが付けられているので、ドクドクと血が出て、違和感もあります。体がじんわり熱く、体温は37.3度と微熱。口は全然開かないので、まともに喋れません。
<注意点>
術後は口の中が血だらけで気持ち悪くなりますが、基本うがいはNGです。うがいをすると、血餅(けっぺい)と呼ばれる血のかさぶたが流されてしまうため、極力ティッシュに血を吐き出すようにしましょう。
●18:00=夕食
夕食にきざみ食(流動食)が出てきました。全然口が開かないので、小さなスプーンでゆっくり口に運び、そのまま飲み込む感じです。大きいコップも持参しましたが、薄くて小柄な紙コップの方が飲みやすかったです!
術後は風邪のような症状で喉が腫れているので、飲み込むのが少し辛かった・・・。
夕食後はうがい薬で、軽くうがいをします。激しくうがいをすると血餅が流されてしまうので、口に含んでそのまま「バァ~」っと垂れ流すイメージです。
●20:30=血がヤバイ
ドクドクと血が止まらないので、血を飲み込んで具合が悪くなりました・・・。とにかくティッシュに吐き出すようにしましょう。
●22:00=消灯
消灯時間になりましたが、寝ていると喉に血が詰まり、とてもじゃないけど寝れません。血を吐き出しては寝るの繰り返しで、結局一睡もできませんでした・・・。
向いの人はイビキをかいて熟睡していたので、症状や個人差によるのかな。
③ 退院(入院3日目)

●7:00=採血・体温測定
採血と体温測定。貧血症の私は横になりながら血を採りました。体温は37.0度と微熱。術後は体が頑張っているので、体温が上がります。
●8:00=朝食
この日の朝食もきざみ食(流動食)でしたが、血が口の中に溜まって、食べれませんでした・・・。
●8:30=消毒・チューブを抜く
口の中の消毒とチューブを抜くために口腔外科に行きました。チューブを抜くのは痛いかと不安でしたが、担当医の腕がよかったお陰か、一瞬で終わり痛みも少なかったです。
チューブを抜いてからは徐々に血が止まってきますが、その代わり、顔がどんどん腫れていきます。
●9:00=抗生物質の点滴
抗生物質の点滴を約1時間ほど打ちました。チクッとして手に冷たい水が入る不思議な感覚。
●10:30=退院
点滴が終わり、帰る準備を整えて会計を済ませたら退院です。2泊3日の全身麻酔手術で費用は、保険適用(3割負担)で7万円ほどでした。
●12:00=昼食
自宅に帰り、昼食(流動食)を食べて、抗生剤を飲み、うがい薬で軽く口をゆすいでからしばらく寝ました。
●15:00=痛み止め
じんじんと痛みが強くなってきたので痛み止めを飲みました!痛みを感じたら、我慢せずにすぐ痛み止めを飲みましょう!
●19:00=夕食
夕飯(流動食)を食べて、抗生剤を飲み、うがい薬で軽くゆすぎ、安静にしました。退院初日は口が開かないので、流動食がかなり重宝します。気力がなく、傷口も心配なので、退院初日(手術の翌日)も歯磨きをしませんでした。
④ 退院~抜糸までの様子
退院(手術の翌日)
腫れや痛みは退院日(手術の翌日)がピークでした。食事は流動食でそのまま喉に流し込みます。唾が血で滲んでいるので、ティッシュに吐き出します。
激しいうがいをしたり、傷口を舌でいじるとかさぶたが取れてしまうので、うがいは口に含んでそのまま「バァ~」っと垂れ流すイメージで優しくやります。
退院翌日
腫れや痛みは前日より少し引きましたが、口はまだ開かないので、無理に大きく口を空けずに、流動食を少しずつ口に運びます。歯磨きも前の方だけ軽めに磨き、優しく含みうがいです。
退院後1~2日間は、口が開かず喋るのが辛いので、仕事は休んだ方が良いです。特に大事な時期なので安静にしましょう。
退院3~5日目
朝起きると唾に若干血が滲んでいます。手術後3~5日にかけて、腫れや痛みはかなり引いてきます。少し口も開くようになるので、縫合糸のつっぱりが気になり始める頃です。
だいぶ慣れてくるので、油断して縫合部分を舌や指でつついたり、激しいうがいをしてしまいがちですが、この時期にかさぶたが歯槽骨を保護しながら歯肉を形成し始めるため、気を抜かずに、うがいや歯磨きは優しくやりましょう。
抜糸当日(手術の6日後)
抜歯後6日で抜糸をしました。通常抜糸は7日前後~10日に行われることが多く、私は少し期間が短かったため心配でしたが、問題ありませんでした!
抜糸後は注射器のようなものを渡され、1日4回(食後+寝る前)穴を洗浄します。最初は恐ろしくてまともにできず、洗浄後もヒリヒリと傷口が痛むので怖かったです・・・。
術後1週間あたりから、少しずつ前歯で噛んで食事ができるようになってくるので、流動食から柔らかめな一般食に切り替えていきました。
体重は「手術前:50.5kg」→「1週間後:48.4kg」と1週間で2.1kg減りました。
抜糸の感想 ~痛みは?傷口は?~
抜糸は痛くないという人もいますが、“私は痛かった” です。とはいえ、部分的な痛みだったので、涙が出るほどではありません。糸を取った後はつっぱった感じが取れてスッキリしますが、傷口がしばらく痛みます。
手術入院中のアドバイス
2泊3日の親知らず同時抜歯手術を経験してみて、入院中に必要なものなどアドバイスを書かせていただきます。
暇つぶしグッズは必須!
入院初日はとにかく暇なので、暇をつぶせるものが必要です。最近はスマホがあるので、十分時間を潰せると思います。ちなみに私はスマホとノートパソコン+ポケットWifiでしのぎました!
スマホの充電器は必須!
暇でスマホをいじっているとすぐにバッテリーがなくなるので、スマホの充電器を忘れると悲惨です。
ティッシュBOXは5~6個パックを買っていく!
術後はとにかく血がヤバイのでティッシュが必須です。普通にティッシュ5箱ぐらい使いました。
紙コップが重宝する!
大きなコップを持参していきましたが、術後は口が開かないため、薄くて小柄な紙コップの方が飲みやすくておすすめです!紙コップをパックで買っていきましょう!
小さくて薄いスプーンを用意する
一般のスプーンを持参しましたが、術後は口が開かないため、小さいスプーンがおすすめです。大きさは、赤ちゃん用のスプーンぐらいで、薄いものがいいでしょう。
手術前に好物を食べておく
術後はまともに食事ができないため、流動食が続きます。そのため、手術前に好物を食べておくことをおすすめします。また体重が激減するので、しっかり食べて数キロ太っておきましょう。
枕にタオルを敷いて寝る
術後1~2日は血の含んだよだれが出るため、退院後も枕にタオルを敷いて寝るようにしましょう。
親知らず抜歯後の注意点
2泊3日の親知らず同時抜歯手術を経験してみて、術後の経過と気をつけるべきポイントをご紹介します。
抜歯直後
親知らず抜歯直後は、歯槽骨が剥き出しの状態になっているので、止血剤を入れてかさぶたを形成させたり、切開部分を縫合して傷口を塞ぎ、歯槽骨を守りながら治癒していきます。
ちょっとした刺激でかさぶたが取れてしまうので、抜歯直後はもちろん、歯槽骨に歯肉ができ始める約3~5日間は、傷口を舌や指でいじったり、激しいうがいは避けましょう。
抜歯後3日~1週間
抜歯後3日~1週間後には、むき出しだった歯槽骨が少しづつ薄い歯肉で覆われてきます。この頃になるとかさぶたは自然と剥がれてきます。そうなれば、ある程度うがいをしても大丈夫ですが、まだ歯肉は完全ではないので、強く歯を磨いたり、いじったりするのは避けた方がいいでしょう。
痛みや腫れは手術当日より、翌日~2日目がピークで、3~5日目にかけて腫れが引いていきます。歯磨きも術後1週間は歯磨き粉を使わずに、縫合付近を避けて優しく磨きます。
手術から1週間も経てば、切開した部分が回復してくるので、おおよそこの段階で抜糸をします。
抜歯後1~2週間
抜歯後1週間前後で抜糸をします。抜糸後は縫合していた傷口が開くので、穴の中に食べカスが入りやすくなります。
穴に詰まった食べカスを放っておくと感染症を起こす危険があるので、怖いですが毎日しっかり洗浄しましょう。
抜歯後1か月
抜歯から1か月も経つと、抜歯部分の歯槽骨は再生して、歯茎にも覆われながら、傷口が少しずつ塞がっていきます。
多少違和感はありますが、ここまでくれば食べ物が穴に詰まっても、舌でつついたり、うがいをするだけで取れます。
抜歯後3か月~6か月
歯茎が完全な状態に治るまでは約3か月~6か月かかります。ここまでくれば、何も気にならなくなります。
まとめ
ここでは、2泊3日の全身麻酔手術、完全埋伏で横向きに生えた親知らず4本+2本を同時抜歯した体験談を紹介しました。
親知らず4本同時抜歯は、2~3週間は食事など少し苦労しましたが、手術は一瞬で終わり痛みも無く、思ったよりは食事ができて大丈夫でした!
複数に分けて抜くよりも、全身麻酔で一度に抜いてしまった方が、痛みは少ないかもしれません!もちろん今回無事に終えれたのは、主治医の腕が良かったのもあり、一概に全身麻酔で同時抜歯がいいとは言えませんが、個人的には2回に分けて全身麻酔の手術を受けるなら、いっぺんに抜いてしまった方が一度に済んで良かったと感じました。
親知らずを抜いたほうがいい「適齢期=20歳」を超えてしまった、「片方ずつか、同時に4本抜くべきか」などで悩んでいる方は、全身麻酔で同時に抜いても大丈夫!という一つの事例として参考にしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。